観覧車コラム
メモ程度に観覧車のコラムを。
(1)「観覧車の正しい楽しみ方」
松嶋菜々子と長塚京三が数年前に出演した映画に「恋と花火と観覧車」がある。
純朴な大人の恋の物語なのだが、そこに観覧車という舞台設定が加わるところがにくい。
言ってみれば恋も花火も観覧車もはかないものである。観覧車で告白する人が多いらしい。
7~8分、長くても15分程度の二人だけの密室。いいムードになっている人達もいれば、観覧車を立体地図がわりに「あそこは混んでる」とか「あの乗り物まだ乗ってない!」とかチェックしてる人達もいる。もちろん、どう楽しもうと勝手なわけだが、たまには大人っぽい楽しみ方をしてみる、っていうのはどうだろう。
ジェットコースターやお化け屋敷とか、遊園地は日常よ りも速い時間の流れを楽しむものが多い。その中で唯一遅い時間を楽しめるのが観覧車なのだ。観覧車からじっと外を眺めながら語ってみよう。よく見ると眼下には、どこか懐かしい世界が拡がっているはずだ。あなたが幼い頃によく遊んだ所に似た場所…、あんなに轟音をたてていたと思っていたのに静かにしか聞こえない絶叫マシン…。
たった数分の時間旅行、1周するうちに、あなたも何か見つけられるかもしれない。
(2)「海外の観覧車事情」
日本と海外の観覧車の違い、それは「観覧車の速さ」。2倍…いや、速いものだと絶叫マシン的にまわる観覧車もある。さらに窓などがなく、座席の上に傘が広げてあるような、もっと開放的なものが多い。さらに移動遊園地や仮設遊園地が当たり前の海外では、人力でまわす観覧車もあり、インドなどではゴンドラの外に飛びついてまるでサーカスのようにまわすものもあるのまである。
こう考えると、海外では「遊園地の楽しい乗物」としての性格がより強く出ているが、日本ではどちらかというと「遊園地の象徴的な建造物」であり、海外が「動」ならば日本は 「静」といえるかもしれない。
そもそも、観覧車は、1893年に建築家ジョージフェリスがシカゴ万博の目玉として立てた新しい形の展望台だった。日本ではこの性格が受け継がれているようで、近年、遊園地とは無関係な場所に観覧車がシンボルとして建設されている例が多い。ビルの上や公園の中などにアイキャッチとして建てられ、さらに巨大観覧車の建設合戦でこの十年間に国内だけで5-6回「高さ世界一」を塗り替えており、実は日本は「観覧車大国」なのである。
ちなみに、日本では高さ270m以上の世界最大の観覧車の建設計画が日本で持ち上がっている。名前は「Nippon Moon」。横浜ランドマークタワーの展望台が273m、大阪あべのハルカスの展望台が283mなので、それと同等ぐらいの高さの存在感がある観覧車ということになります。
1周は40分間。観覧車には12~15人乗りの32個のゴンドラで構成され、スマートフォンを使ったARシステムにより、周囲の景色の説明を受けることができるそうです。ただ、どこに、いつ建設されるかはまだ不明です。