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お化け屋敷3D進化論~恐怖はどこへ向かうか

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お化け屋敷特集

お化け屋敷3D進化論
~恐怖はどこへ向かうか

お化け屋敷の面白さの根元は「架空の世界をいかにリアルに体験できるか」。

時代を問わず「怖いもの見たさ」という気持ちは誰にでもあるもので、肝試しを行ったりしていたようだ。それを事業として見せたのは舞台小屋がはじまりで、文化元年(1804年)7月、鶴屋南北が書いた狂言「天竺徳兵衛韓話」を舞台小屋で見世物としたのが最初と言われている。一方「お化け屋敷」の起源は天保元年(1830年)3月に、瓢仙という医師が自宅の庭に小屋を設けて壁や天井に化け物の絵を描き、人形を置いた屋敷を作ったのが起源とされている。(中公新書「化物屋敷」橋爪伸也を参考)

その6年後、天保7年(1836年)6月に京都・両国回向院で行われた「寺島仕込物問屋」では「四谷怪談」をはじめとするいくつかの舞台のハイライトシーンが動く人形とともにディスプレーされていたという。


このように、もともと何かを飾る「ディスプレーする」ことからはじまったお化け屋敷であるが、基本的にこのスタイルは長い間、それも1980年代まで変わらなかったといって過言ではないだろう。そして、このディスプレーする要素は私が考えるに3つある。死者(Dead)、暗闇(Dark)、装置(Device)、これを「元祖3D時代」と呼んでいるが、少なくともお化け屋敷をより怖くするための方法を、よりリアルなディスプレーに見出そうとしていたのがこの時代である。

しかし、様々な分野での技術革新の波がお化け屋敷にも押し寄せた。1990年代前期~中期にかけて大流行した3D映像や3D音響がそれである。日本初の3D音響によるお化け屋敷は1994年4月、浅草花やしきの「ゴーストの館」で、そのすぐ後にゲーム会社「ヒューマン」から緊張度合いの判定と3D音響を組み合わせた「グランディッシュの館」が発表され、お化け屋敷にインタラクティブ性を持たせるという新たな道が開かれた。これらを始め、「技術3D時代」がブレイクしたのは、ただ単に目新しさだけではなかったと思われる。つまり、時はバブル崩壊前後ぐらいであり、遊園地業界でも新規投資やリニューアルをしなければならないものの、巨額投資はしづらかったが、そこでタイミング良く登場した3Dものに白羽の矢がたったということではないだろうか。お化け1体を作るのにも何十万、何百万もかかるらしいが、例えば3D音響のお化け屋敷ならば、極端にいえばヘッドホンとソフトがあるだけでよい。つまり、少スペースかつローコストさ、なおかつ最新技術であるという点で、全国に一気に広がっていった。


この「技術3D時代」は言い換えれば「バーチャルリアリティー発展期」と言えるだろう。だが、バーチャルなものばかりになってしまうと、よりリアルな感覚を求めていくような傾向になっていると思われる。それが、近年、特に今年(1998年)に見られる「実感的リアリティーさの追求」である。大きな傾向としては、役者が屋敷内に隠れていてダイレクトに脅かすタイプの増加(Direct)、お化け屋敷という虚構空間をお客にとってのリアルな場所にするために、お客にボタンを押させたり、何かを持たせてまわらせたり、使命を与えられたりという行為、つまりドラマの主人公的雰囲気の演出(Drama)、そして、それらをより引き立てる本格的な内装デザイン(Desingn)が挙げられる。デザイン面では、学校だとか病院だとか、まさにお客に密着した空間を忠実に再現することによって、リアルさが増してくるのである。


ここまで来ると、これで十分怖いのではないかと思われるかもしれないが、私はそうは思わない。今ある技術でも十分できうる究極的お化け屋敷が頭の中にあるからだ。バーチャルとリアリティーとの狭間をどのように表現していくか、そしてどのような技術が他分野で発展するかが、お化け屋敷発展の鍵となっていくことであろう。
...それとも本物指向が行き過ぎて、本物のお化けが出る屋敷でもできるでしょうか?!
お化け屋敷の進化

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